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12人の怒れる男

一番好きな映画は何ですか?
人生で始めて感動した映画を覚えていますか?

私は、両方ともオリジナルの「12人の怒れる男(1957年)」と答える。
モノクロのヘンリーフォンダの出ていたのほう。
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これを観たのは確か12歳くらいの時。
NHKがやっていたのを父と観たのを鮮明に覚えている。
父が勧めたのか、偶然観たのかは記憶にないが、
感動を夢中で父に語り、父が満足そうにうなずいていたことを覚えている。

今日は子どもとリメイク版「12人の怒れる男ー評決の行方(1997年)」を観た。
ヘンリーフォンダの役をジャック・レモンが演じている。

たぶん、どの人がみてもいい映画という映画だろう。
この映画には民主主義とはなにか、多数決主義の危うさ、
疑わしきは罰せずということなど、たくさんのテーマがある。

もちろん、日本にも陪審員制度が導入されるので、その点からも観ておくべき
かも知れないが、それよりなによりこの映画の精神性の高さに酔いしれた。

12人の陪審員が一人のスラム街出身の少年の父親殺しの容疑について
有罪か無罪かを一室でひたすら議論し続ける作品。
誰がみても有罪である、という法廷のシーンからはじまる。
11人の有罪評、そして一人異をとなえるジャックレモン演ずる建築家。
建築家は、少年が無罪であると言っているのではない。
有罪とするには、なにか腑に落ちないと言っているのである。
腑に落ちない・・・身体のどこかに違和感を覚えるってことじゃないか。

私達は、マスメディアをはじめ、社会がら発せられる「正しい説明」
に麻痺しながら生活している。つまり、自分で考えているようでいて、
まったく考えていないってことが多いものだ。

11人の陪審員のなかには「正義」をふりまわす人が何人かいる。
しかし、正義か悪かというものを対決させる作品ではない。

陪審員一人一人のなかにある『偏見』と己のたたかいを描いているのだ。
リメイク版はオリジナルでいなかった黒人が二人、イスラム系アメリカ人が加えられている。
見ず知らず同志で対話するうちに、苦渋しながら個々にもっている己の偏見に気づく。

圧巻は、有罪を主張して最後一人になった男がブレイクダウンするシーン。
厳しく育てたが、去っていった自分の息子と被告の少年とを重ねていたのだ。
物事に自分と自分の問題を投影してしまう・・・この感情的で強圧的な男性のありかたは
まさに自分の勝手な色眼鏡で世界をみている私達のありかたそのものだ。
  *名悪役ジョージ・C・スコット にぐっとくるねえ〜

外から促されて主張を覆すのではなく、自らの偏見を認め意見をかえていく。
陪審員全員が、自分の意見(評決)が自らの偏見が原因となっていることに気付く。
他者によって自分に目覚める瞬間。苦しく、痛い作業なのに、なんと清々しいのか。

ロジックとレトリックは西洋文化の醍醐味だよね(ひがみではない)。
日本語吹き替え版ビデオだったから、英語版も観てみたいな。
日本のディベートは感情論に始終しているし、思考の訓練に
是非西洋のロジックとレトリックは学ぶべきだと感じた。

話をもどそう。上の子は前に日本版もみたらしいし(おもしろおかしくつくってあるそうだ)
もちろん今回の映画も楽しめていただろうが、始まってすぐに11歳の息子は、
「もしかして一つの部屋しか出てこない?この叔父さん達だけしか出てこないの?
おもしろくなさそう」と言っていたのに、途中から「おもしろい!!!」。
(今時の映画と違うテイスト初体験)

「すごいね、だって1人対11人で戦いはじめたおじさんかっこいい。
それでも意見をかえないのが、すごい。そして11人皆をかえるってすごい」
と興奮していた。息子の「すごい」は、善きものにむかう姿勢に共感したのだろう。
人間の意志の力、勇気とはなんだろう、と考えるよい題材になったのではないか。

作品のなかのクローズアップされるところは人によってちがう。
不思議なのは12歳の私が感じていたことが、
大人になった今もあまり違わないことである。ふうむ・・・

実際、私と同じくらい年齢でこの作品をみた息子がどう考えているか
は本人にしかわからない。その時の自分がどう受け取ったか、
を大人になって再度鑑賞し、認識し直す作業は楽しい。
うちの子ども達自身が、どんなふうに変容させていくかも楽しみだ。
名画を、クラッシックムービーを子どもと観る・・・いいぞ、これ。
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by miroku-ai | 2007-11-10 23:50

香水

『パヒューム』という映画が、封切りになりますね。
映画紹介の記事でみて、「ん?なんか聞いたことのあるストーリー」
とおもえば原作が「香水—ある人殺しの物語」じゃないですか。

原作は、めちゃおもしろーいのでおすすめ!なんですけどぉ。
これ映画にするの?って思いましたケド(-_-)
個人的には、映像だったらね、面白み↓↓って気がするんだな〜

なんかうまくいえないんだけど、この「突出した嗅覚」。これを「文章」
のなかで表現するからこそイマジネーションをかきたてられるんじゃないの?
映像じゃないほうがいいコトってあるんだからね〜
なんか、普通のエンターテイメントとかサスペンスものになっていないことを祈ります。

あーあ、映画見てもいないのに、ヒヒョウしちった。ごめんちゃい。

好きな作品だからこそよけいに・・・


蛇足。時代背景は、フランス革命のころざんす。
このころってハーネマンもいきていたんだよね〜と
ホメオパシーの学校に入った頃に読んだので、妙にリアルに記憶している私。

蛇足ついでに、主人公のレメディーっていったいなんやろう?
と当時しきりに考えていました。(すごく*SRPな人なんだもん)

*ホメオパシー用語(?)Strange&Rare&Pecuriar= 奇妙な&まれな&特有の。
ホメオパシーでは、「その人が持っている、めちゃんこ変な症状」を発見したら
処方するレメディを決定づける要因として注目する症状なんです。
例:Ign.(イグナチア) :
    喉に違和感・痛みがあるのに、食べ物を食べるとましになる、とか。


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by miroku-ai | 2007-03-02 23:38 | プラスαな本